販売戦略

・ネットショップの価格競争で利益を出す商品の販売戦略と値付け

 

 

ブランド商品、固有の型番のある商品、JANコードがある商品を取り扱いネットショップ運営者にとって、Amazon、楽天、Yahooといった主要なECモールの仕様によって最安値の価格競争力が激しくなっており、より売上や利益が上がりづらい悩みを抱えているケースが多いと思います。

今回のテーマとして、如何に価格競争を回避し、自社にとって利益が取れて売上が上がる商品の販売戦略と値付けについてまとめております。

 

1.JAN、メーカー固有型番のある商品を販売する時の課題

多くのネットショップを運営している小売店にとって、殆どがこのケースに該当すると思います。

また仕入れルートも確立されているケースが殆どで、MDにとっては競争を回避して売れる商品を探すことや、新たなルートを確保することもそ簡単ではないでしょう。

1)消費者の目的買いによる価格競争の課題

多くの消費者がインターネットで商品を購入する時は目的買いが殆どです。
特に代替品が多い商品(流通量の多い商品とも言える)を購入するユーザーにとっては、

「一番安い」
「1日でも早く届く」
「信頼できそうなショップ」

が選ばれるケースが多いと考えられます。

圧倒的な商品ラインナップ(品揃え)を抱えられる小売店であれば薄利多売でも商品カテゴリや全体での利益を出せるかも知れませんが、多くの小売店にとってより競争力のない商品の販売戦略が求められていると考えられます。

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jan/190129.html (本記事は公正取引委員会の公表資料を参照)


2)消費者の衝動買いによる課題

例えば、

「○○数量限定」
「○○限定で売り切り」
「今なら送料無料」

など、競合店舗よりも消費者には魅力的で有利な販売戦略をとった時に1回目の購入は衝動買いによりカートに入れる可能性は高いですが、2回目以降の購入がないケースが考えられます。

また新型コロナの影響による巣ごもり消費が高まっていることから、衝動買いの需要が多くなっているとも考えられます。

https://president.jp/articles/-/34233?page=4


3)定期購入ユーザーの獲得の課題

何かしらの自然検索や流入による購入や、プロモーションからの接点により購入するユーザーは、特定の商品を購入することを目的で来訪しており、次回も同店舗で購入する可能性が低いケースが多いと考えられます。

その中でも購入至った経路(動機付け)、より購入が多くリピートが少ない商品のユーザー像を把握することによって、欲しいと想定される商品のリマインドによるリピーター獲得も課題になってきます。

 

2.自社に合った購買ニーズの基本的な考え方とは

<AIDMAの法則>

A(Attention)
= 認知
広告や口コミなどインパクトのあるキャッチコピーで商品を認知する(目立つ商品イメージなど)
I(Interest)
= 興味
商品を知ったユーザーに興味を持たせる有益な情報を伝える(商品ブログや詳細がわかるPR)
D(Desire)
= 欲求
商品を調べ比較していくうちに、その商品が欲しいと思う(お試し、おまけ品の付属など)
M(Memory)
= 記憶
購入に至らなかったユーザーに対してのリマインド(リターゲティング広告、メルマガなど)
A(Action)
= 購入
より欲しいと思う欲求が高まり購入に至る

 

<AISASの法則>

A(Attention)
= 認知
広告や口コミなどインパクトのあるキャッチコピーで商品を認知する(目立つ商品イメージなど)
I(Interest)
= 興味
商品を知ったユーザーに興味を持たせる有益な情報を伝える(商品ブログや詳細がわかるPR)
S(Search)
= 検索
興味を持ったユーザーが知りたいと思う検索手段や必要な情報を配置する(口コミ、商品の詳細情報)
A(Action)
= 購入
より欲しいと思う欲求が高まり購入に至る
S(Share)
= 共有
一度購買してくれた人の特典を付与するなど、シェアしやすい環境を作る(SNS、個人ブログなど)

 

上記の法則で考えると、販売量を伸ばすには「AIDMA」が有効的と考えられますが、継続的なリピートを増やす仕組みを作るには「AISAS」も考える必要があります。

自店舗で購入しているユーザーがどのような購買行動でカートに入れたか、購入に至ったかを把握することもとても重要になってきます。

マーケティング観点で消費者の購買プロセスを考えた時に継続的な購入を促す仕組みや○○という特定商品を購入したユーザーが欲しいと思う商品を定期的に案内することでユーザーに記憶され、2回目以降の購入に繋がるリピーターを増やして行く戦略が必要となります。

 

3.価格競争になりづらい商品の販売戦略と価格決定の事例

1)DIY・工具店のケース

電材商品などの消耗品は仕入れが安く、最安値でも十分利益の取れるジャンルもありますが、カテゴリの特徴として、アイテム数が膨大にあるため、全ての商品を最安で販売すると利益が取りづらい。

販売戦略として、特に日常的に消耗する商品の価格を最安値にすることで、他定期的な購入ニーズのある商品も一緒に購入してもらえるような工夫をしています。

 ① プライベートブランドの紹介
 ② アフターフォローの安心感
 ③ 商品の詳細説明の丁寧さ)
 ④ 急な消耗による商品購入の際の在庫の豊富さや配送速度が早い

新規の初回購入ユーザーを増やすことも重要ですが、継続的なリピーターとなってくれるユーザーを獲得することが重要だという考え方です。

 

2)スポーツ・アウトドア店のケース

商品数が30万点以上と膨大で、各商品毎の競合店数に大きく差がある、競争しなくても良い商品を値下げしていたり、市場価格に合わせた自然に購入し易い価格になっていなかったことで、売れづらい価格決定や利益減となっていました。

より多くの商品の自社の価格順位、供給量を把握することによって、以下の戦略を立てました。

 ① 商品全体の市場価格や供給に対する価格設定と競合状況を把握し、自社の立ち位置を把握する(○○%安く販売しすぎていた、など)
 ② 無理に「値下げする必要ない商品」「勝負できる商品」に分ける
 ③ ②の中でも価格をチェックした方が良い商品に仕分けを行う
 ④ 「過去1年売上がある」「過去1ヶ月売上がある」「一年前の当月売上がある」に見る商品軸を仕分け
 ⑤ 在庫があるかどうか(正常在庫、不良在庫かどうかも)によって、価格決定幅を決める

 

自社に合った市場の立ち位置を把握することによって、短期的な収益の改善や中長期的な商品戦略に繋げた実績例です。


3)美容用品店のケース

これまでは手作業やモール側から提供されている情報(API)のみで、正確な競合価格が把握できていなかった。

① JANだけではなく、商品毎に検索キーワードの複数調査により、よりデータ精度をあげた
② 同一商品の複数ページを作成し、購入者のニーズに合わせて販売するようにした。


 「ポイントを貯めたい人」 = ポイント高めのページを作成
 「送料無料を重視する人」 = 送料確認が面倒で、送料無料を気にするひと向けページを作成
 「ポイント無し&送料ありでも、商品価格のみを重視する人」 = 大量に商品を購入する人向け

 

自社で取り扱っている商品の購入者のニーズに合わせて、戦略的に売価を設定することにより、より多くの購買ニーズを獲得する考え方です。


まとめ

EC市場の拡大によって、顧客ニーズの多様化や各販売店同士の競争はより激しくなっており、より競合性の少ない商品の販売戦略が重要になってきています。
取り扱っている商品カテゴリのよって、購買ニーズは大きく異なりますが、より自店舗に合わせたユーザーに対しての販売戦略の打ち手を持っていくことが重要です。

その中でもより取扱商品のデータ量が多いほど、日々の運用だけで競合調査が難しく、手作業では現実性のない運用になっているケースが多々見受けられます。

より多くの商品の販売価格の競合との立ち位置を把握するための価格調査の業務効率をあげることで、戦略的な価格決定に時間を割くことによって、自社にあった購買ニーズの商機を獲得するために、まだ価格調査ツールの運用を推奨しております。

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